マンションを負債にしないために気をつけたいこと
実家のマンションが、かなり老朽化してきました。
実家とは言っても私は住んだことはなく、父が退職金で購入した中古のマンションで、その父はもう亡くなり、母が一人で住んでいます。
東京の23区内にあって、3LDK の広さがあり、11階建てで全部で150戸の大型マンションです。
1980年に建てられたので、築年数は約40年。たった40年しか経ってないのに、配管が傷んできており、年々修理費がかさんでいるそうです。
そのため、建て替えの話が出ています。修理費がもったいないので建て替えた方がお得なのではないかということのようです。
マンションの住民はかなり高齢化していて、資産家の人と、年金暮らしの人に分かれます。
お金持ちの人はマンションが古くなる前に建て替えてきれいにしたいと言っています。その方が資産価値が上がると思っているのでしょうか。
年金暮らしの人は、建て替える間の引っ越しが大変だし、特に老朽化で困ることもないので、このまま住み続けたいと言っています。
このマンションは賃貸に出していて、マンションに住んでいない持ち主もたくさんいます。その人たちにとっても、建て替えは難しい問題です。貸している人の引っ越し代を出さなくてはならないし、その間家賃収入がゼロになってしまいます。
私は、この話を聞いて、とても恐ろしくなりました。
マンションを建て替えるためには、今の法律では、所有者の5分の4以上が同意しなければいけないそうです。
150戸の5分の4は120戸ですが、今の状況では、ほとんどの住民が建て替えに反対しています。恐らく、120戸以上の住民が賛成することは永遠に来ないでしょう。
すでに修理費用がかさんでいるそうですから、これから10年、20年と経つのに従って、積み立て資金が減っていき、その結果、管理費の負担が増えていくことになるのではないでしょうか。それを住民は負担していけるのでしょうか。
母は、元気なうちはここに住み続けたいと言っているので、その気持ちは尊重したいと思います。
でも、母が住まなくなったら即売却したいです。その時、そのマンションが売ることのできる状態であることを祈りますが。
ちなみに、遺産放棄すれば良いという話もありますが、遺産放棄してもマンションの新しい所有者が見つからない限り、マンションの管理責任は遺族にあるとのことです。
話は飛びますが、オペラを聞きに行ったら歌手の人は日本人ですがイタリアのマンションに住んでいると話してくれて、住まいのマンションの写真を見せてくれました。
なんと築600年だそうです。その姿勢を見習いたいなぁとつくづく思いました。
日本にも法隆寺のような古い建物を作る技術があるのに、安い建物を量産するようになってしまい残念です。
というわけで、マンションを負債にしないためには、売れるうちにさっさと売るのが正解。あと、安いマンションに手を出すのは超危険なので、購入するときはくれぐれも注意した方が良いと思います。